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コラム
2024-02-29

トラック運転手の平均年収はいくら?男女・年代別に紹介

トラックには、小型、中型、準中型、大型と大きく4つのサイズがあります。トラック運転手として仕事するためには、必要な免許もそれぞれ異なります。車体や重量が大きくなるほど、運転技術と経験が必要です。

年代や男女、経験年数だけではなく、運転する車のサイズによっても、年収が異なります。トラック運転手は、男性ドライバーが多い印象ですが、国土交通省によって、女性ドライバーを増やす取り組みが促進されています。

トラック運転手の平均年収

トラック運転手の給料は、運転できるサイズやタイプによっても大きく異なります。また、男性と女性との違いだけではなく、年齢や地域によっても差が出る職種です。

サイズ別

トラック運転手といっても、小型、中型、大型と、大きさによって年収は異なります。なぜなら、荷物の積込み量や重さのほか、移動距離も大きく差があるためです。

小型トラック運転手は、1トンから2トントラックに、比較的軽量の荷物運搬をメインとしています。移動距離も、市内など近場への配達が多いのが特徴でしょう。

また、勤務時間が定められている上に週休2日制など、勤務形態が整っているため、比較的働きやすい環境です。しかし、中型と大型トラック運転手に比べて、月収は20万円からと低い傾向にあります。

中型トラックの場合は、近県までの配送となり、積込み量と重量は、小型よりも多くあります。その分、給料はやや高めの30万円からが一般的です。

最も給料が高いのは、大型トラック運転手でしょう。通常は10トン以上のトラックを数日かけて輸送する場合が多く、平均で月収40万円以上が一般的です。

男女別

トラック運転手でも、男性と女性では大きな差があります。男性であれば、平均年収は400万円台なのに対し、女性の場合は、300万円台と低めな傾向にあります。

一般的に、トラック運転手には男性が多く、しかも勤務年数が長い分、女性よりも給料が高めです。一方で、女性は育児のためなど、時短勤務をせざるを得ない状況などから、平均的に年収は低めになっています。

しかし、最近では、国土交通省による「トラガール促進プロジェクト」により、女性ドライバーを増やす政策を促進しています。女性でもトラック運転手をしながら、育児や介護との両立ができる勤務が実現できることも必要です。

年代別

運転するトラックのサイズによって給料は変わります。そのため、20代でも大型トラックの運転手であれば、年収が400万円を超える場合が多いでしょう。

30代から50代になると、経験を積んできている分、給料は高めです。60歳以上のドライバーも多いですが、350から400万円程度と、やや低くなる傾向があります。トラック運転手の給料は、歩合制を取り入れている企業も多く、その分、給料が高くなることもあります。

地域別

ほかの職業も同様ですが、勤務先が東京や大阪、名古屋など首都圏や大都市の場合は、平均的に年収が高めです。トラック運転手の場合、首都圏であれば、400万円から500万円が一般的でしょう。

一方で、地方都市になると、年収平均は200万円から300万円台と、低めであるのが実情です。トラック運転手は、大都市と年収の格差が出ています。

ほかのドライバー職との年収比較

ドライバーは、職種によって必要な資格やスキルが異なるため、年収もさまざまです。

タクシー運転手

一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会の調査によると、タクシー運転手の平均月収は約29万円、年収は約360万円です。しかし、東京や大阪などの主要都市は平均30万円代なのに対し、地方は20万円代が平均的でしょう。

給与形態は、月給制や歩合制、またはその両方を取り入れているなど、さまざまです。企業によっても異なるので、事前に確認した上で就業することをおすすめします。

首都圏や観光地の場合は、需要も高いため、収入を増やせる機会はあるでしょう。ただし、適切なルート選定をするためには、その土地の地理情報も把握しておく必要があります。

バス運転手

バスの運転手は、民営と公的機関(公務員)とでは、給料や待遇に差があります。全国平均としての給料は400万円程度という調査結果が出ています。しかし、首都圏に比べて、地方都市の場合は、年収300万円程度が一般的です。

路線バスは、公共交通機関での運行になります。一方で、貸切の観光バスなどは、法人企業のため、給与の差は出てくるでしょう。

バスの運転手として働くには、大型第二種自動車運転免許の取得だけではなく、運転経験が3年以上という条件があります。トラック運転手やタクシー運転手など、ドライバー職の経験者からの転職が多いのも特徴です。

トラック運転手の仕事内容

トラックの種類は、大型、中型、小型だけではなく、けん引などさまざまです。サイズや種類によっては、必要な免許を取得しなければなりません。

小型トラックは、主に生活用品や割と軽めの荷物を中心に運搬するため、女性の割合も高いのが特徴でしょう。中型の場合は、日用品や家電製品など、重めの荷物の運搬を主にしています。大型ほどではないですが、やや遠距離まで運搬することが多いでしょう。

大型トラックになると、運転が数日にわたり、荷物も重くて多くなります。小物だけではなく、大型家具や建築材など、さまざまなサイズを取り扱える大きさです。そのため、大型免許が必要となり、高度な運転技術を身に着けなければなりません。

トラック運転手とタクシー運転手に向いている人とは?

同じドライバー職でも、トラック運転手とタクシー運転手では、必要な免許やスキルも異なります。そのため、人によっては、向き不向きもあるでしょう。

トラック運転手に向いている人

車のサイズや種類にかかわらず、トラック運転手として向いている人について説明します。

運転が好きな人

大型トラックの場合は、長距離の運転は避けられません。また、小型や中型でも、荷物を運搬するために運転スキルが必要です。

トラック運転手は、1日のうちで、働いている時間の大半は、運転する時間に費やすことになります。さらには、車の中で過ごすことが多いため、運転が好きな人でなければ難しいでしょう。

集中力がある人

トラック運転手の拘束時間や、休息時間など、厚生労働省にて定められています。しかし、とくに大型トラックでは、長時間にわたって運転することになります。そのため、集中力がある人でないと、思わぬ事故などを起こしてしまう可能性があるでしょう。

責任感がある人

お客さんの荷物を指定された日時、場所に届けるという職務があります。そのため、運転技術だけではなく、責任感も求められます。一人であっても交通ルールを守り、安全に荷物を届けることが重要です。

思わぬ事故などで渋滞が発生することもあり得ます。不測の事態も備えて、指定の日時に荷物を送り届けられるように、スケジュール管理ができることも必要です。

忍耐力がある人

長距離による長時間の運転では、渋滞や運転中のトラブルが発生することもあります。また、
荷物の上げ下ろし作業など、単調な仕事を行うこともあるでしょう。

そのため、ストレスを感じる場面も多いため、イライラしてしまう可能性もあります。しかし、想定外のことが起こった時にも、忍耐強く対応できることが求められます。

タクシー運転手に向いている人

タクシー運転手の仕事をするには、ただ運転が好きというだけでは難しいでしょう。接客業にともなうスキルが必要です。

運転が好きな人

車の運転がメインの仕事であるため、運転が好きな人には向いている職業です。長時間でもモチベーションを維持し、運転によるストレスを感じない人でないと難しいでしょう。

社交性がある人

タクシーは、子どもから大人まで、さまざまな年齢の人が利用します。なかには手助けが必要な場合もあり、コミュニケーション力が求められることもあるでしょう。見知らぬ場所を告げられたときに、お客さんに教えてもらうこともあります。

一方で、相手が話したがらない場合もあります。乗車してきた様子などから、柔軟に対応できるような社交性も必要です。

記憶力が良い人

通ったことのある道を覚えるためにも、記憶力は必要です。現在は、カーナビを搭載しているタクシーが多いですが、必ずしも適正なルートが出るとは限りません。

急いでいる場合など、安全に通れるルートを知っていると、お客さんにも喜ばれるでしょう。地理の知識を蓄積させ、目的地まで安全でスムーズに送り届けることが必要です。

適応力がある人

IT化が進むなかで、タクシー業界も例外ではありません。カーナビの進化や、配車アプリなど、時代の変化にも適応できる人であれば、選択肢も増えるでしょう。

また、さまざまなお客さんが利用するため、その状況に合った対応が求められます。天候や道路状況など、急な変化にも慌てず適応できる人が向いているでしょう。

トラック運転手に必要な免許

トラックの運転に必要な免許は、普通免許、準中型免許、中型免許、大型免許の4種類です。大型になるほど、給与が高い傾向にあります。ただし、その分、技術も必要となってくるでしょう。

普通自動車免許

運転手の仕事に就くには、まず普通自動車免許の取得は必要です。18歳から取得可能ですが、法改正により、免許を取得した時期によって、運転可能なトラックの種類が異なります。

2007年6月1日までに取得している場合は、車両重量8トン未満、最大積載量5トン未満までの運転が許可されています。しかし、同年6月2日から2017年3月11日の期間に取得した人の場合は、車両重量5トン未満、最大積載量3トン未満になりました。

2017年3月12日以降の取得者になると、車両重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満の規定に変更されています。

準中型自動車免許

2017年より新たに設けられた準中型自動車免許は、18歳から取得できます。また、普通免許がなくても取得が可能です。

準中型免許制度が設けられてから、普通自動車免許での運転範囲が狭められました。車両総重量は3.5トン以上7.5トン未満、最大積載量は、2トン以上4.5トン未満の輸送が可能です。

中型自動車免許

中型免許になると、年齢が20歳以上に引き上げられています。さらに規定では、普通免許などの保有期間が通算2年以上必要です。

車両総重量は、7.5トン以上11トン未満、最大積載量は4.5トン以上6.5トン未満です。普通・準中型よりも、2倍以上の重量と積載量のトラックの運転が可能になります。

大型自動車免許

大型自動車を運転するための大型免許は、さらに年齢が引き上がり、21歳以上から取得可能です。普通免許等の保有期間も、3年以上と定められています。

車両総重量は11トン以上、最大積載量は6.5トン以上となり、運転するには技術や経験も必要です。そのためトラック運転手をするには、有利な免許といえるでしょう。

大型自動車を運転するには、カーブを曲がる際のハンドルを切るタイミングなど、感覚をつかむことが重要です。そのため、普通自動車よりも、さらに安全確認を行うことが必要になります。

タクシー運転手に必要な免許

タクシー運転手として働くためには、取得が必要な免許があります。ただし、企業に就職した後に、資格補助される場合もあるため、事前に確認したほうがよいでしょう。

普通自動車第二種免許

普通自動車の第二種免許を取得すれば、旅客を乗車させて運転する事業が行えます。たとえば、タクシー運転手や路線バス、貸切バスなどの職業で必要な免許です。タクシー会社のなかには、取得費用を補助してくれる場合もあります。

第二種免許には「第一種普通免許取得後3年以上であることと、年齢が21歳以上」という規定が設けられています。しかし、2022年5月13日の道交法改正に伴って二種免許の受験資格の見直しがされ、現在は受験資格特例教習を受講することで「第一種普通免許取得後1年以上であることと、年齢が19歳以上」であれば二種免許を取得することが可能になっています。ただ、上記特例のうち、年齢要件に関する特例を受けて第二種免許等を取得した場合には、本来の受験資格要件が定める年齢(21歳)に達するまでの間は、若年運転者期間となります。特例での免許取得は通常の規定で免許を取った人と比較すると、運転経験が浅く就職したタクシー会社からのサポートや養成が必要です。そういったことに対応していない会社もあるので、特例での免許取得者は会社選びの際には注意が必要です。

さらに、第二種免許は視力についても規定が異なります。普通免許は片眼で0.3以上、両面で0.7以上なのに対し、二種免許は、片眼0.5以上、両目で0.8以上が必要です。

ほかにも、東京都、神奈川県、大阪府などの都市部でタクシー運転手になる場合には、地理試験に合格しなければいけません。正式名称は「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」と言われ、勤務先の営業区域の地域についての知識が必要とされます。

ただし、タクシー会社を運営している地域を管轄している運輸局によって、規定を設けていないこともあります。必ずしも必要な資格ではないため、事前に確認したほうがよいでしょう。

トラックとタクシーどちらがよいか

トラック運転手は、年代や性別のほか、運転する車のサイズによって年収が異なります。普通免許以外にも取得が必要な免許があり、経験によって給料に差が出るでしょう。

タクシー運転手は、1日おきの隔日や昼間、夜間など、複数の勤務形態が選択しやすいのが特徴です。そのため、自分のライフスタイルに合わせた勤務がしやすいでしょう。また、給料が歩合制の場合も多いので、頑張った分、収入を増やすことも可能です。

次にこちらでは、タクシー運転手になるために必要な資格やスキルを紹介します。車を運転する仕事を検討している方は、合わせてご覧ください。

まとめ

トラック運転手は、車の大きさによって、必要な運転免許が異なります。サイズが大きくなるほど年収は上がりますが、その分、運転距離などが長くなります。

タクシー運転手は、普通自動車第二種免許が必要です。お客さんを安全に目的地まで送るために、地理免許の取得が必要な地域もあります。

勤務形態は1日おきや、昼間、夜間など、自由度の高いシフト制で働ける可能性が高いのが、メリットでしょう。さらに、タクシー運転手に必要な免許の取得にあたっては、全額補助してくれる場合もあります。

運転することが好きな人、コミュニケーションが得意な人であれば、タクシー運転手で働くことを検討してみてはいかがでしょうか。