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コラム
2024-07-12

タクシーの乗務員証はいつ廃止された?改正概要を解説

タクシーの乗務員証は、運転免許とは別にタクシーを運転する際に必要な資格証です。このタクシー乗務員証ですが、2023年(令和5年)8月1日に国土交通省 より、氏名や顔写真などの車内での提示義務が廃止されました。

この記事では、タクシーの乗務員証が、なぜ廃止されたのか、その概要を解説します。これから、タクシー運転手を目指される方は、ぜひ参考にしてください。

タクシーの乗務員証とは

タクシーの乗務員証とは、タクシーを運転する際に必要な証明書のことです。「乗務員証」または「運転者証」と呼ばれ、これを取得し車内に掲示することで、タクシー運転手として乗務できます。

乗務員証は、各地域のタクシーセンターで交付されます。勤めているタクシー会社を退職した場合には、2年間の有効期限があるため、それを過ぎると再交付申請する必要があります。

タクシーの乗務員証は、通常ダッシュボードの上など利用者に見える位置に掲示されています。この証明書の掲示がなければ、タクシーの営業は認められませんでした。

乗務員証の改正概要

では、どのように乗務員証の提示義務は改正されたのでしょうか。

今まで、タクシーの乗務員証は運転手の氏名や車両ナンバーなど、乗客が容易に確認できる場所に掲示することが法律で義務付けられていました。

しかし、現代のさまざまな問題を考慮に入れつつ、国土交通省は「バス・タクシー・自家用有償旅客運送において、車内で乗務員等の氏名などの掲示義務を廃止する」と発表しました。

今までの乗務員証の様式も変更され、利用者に表示する面から、氏名、顔写真、運転免許証の有効期限も削除されました。ただし、引き続き運転者証としての機能を維持するために、顔写真や氏名は利用者に見えない面に記載するなど、プライバシーに配慮されたものとなっています。

廃止された時期

2023年(令和5年)8月1日に、タクシー乗務員証の車内での提示義務が廃止されました。道路運送法施行規則等の一部を改正する省令及び関連告示が公布されたことにともない、乗務員証の様式などが改正されました。

廃止された理由

廃止された理由は、現代のSNSの普及における個人情報流出の懸念やトラブル防止のためです。

顔写真と氏名が提示された乗務員証は、簡単に個人を特定され、さまざまな情報を不特定多数に容易に拡散され悪用される危険があります。

また、タクシー運転手と乗客とのトラブル防止という理由もあります。個人情報が提示された乗務員証は、女性のタクシー運転手も増えてきた現代において、男女問わず運転手へのストーカー行為などに発展する懸念もあります。

そのようなことを未然に防ぐためにも、乗務員のプライバシーを保護し、全員が安心して働ける職場環境を整えるため、乗務員証の提示義務が廃止される改正が行われました。

乗務員証の発行方法と費用

タクシーの乗務員証は、タクシー会社の所在地にある全国各地域のタクシーセンターで、運転者登録をすることが必要です。

法人タクシーの運転者は、乗務員証の交付を受け、個人タクシー事業者は事業者乗務証の交付を受け、それぞれ車内に表示しなければ営業できません。

それでは、タクシーの乗務員証を取得するためには、どのような手続きが必要なのでしょうか。発行費用なども含めて、解説していきましょう。

発行方法

法人タクシー・個人タクシーの乗務員証の登録には、以下の必要書類を提出する必要があります。

(法人タクシーの乗務員証)
・登録申請証
・運転者証交付申請書
・雇用条件及び雇用契約証明(雇用契約書の写し・選任証明)
・住民票
・写真1枚
・講習修了証のコピー
・試験合格証のコピー

(個人タクシーの乗務員証)
・事業者乗務証交付申請書〔第十四号様式〕
・運輸局長より認可を受けた書類の提示
・タクシー等に関する届け出書のコピー(A地域の場合)
・新規許可証又は譲渡譲受認可証(許可証)、相続認可証(許可証)のコピー(B地域の場合)
・写真1枚

各地域によって、登録に必要な書類は異なる場合があります。自分のタクシー会社が当てはまるタクシーセンターを調べ、必ず確認のうえ、申請するようにしましょう。

発行費用

乗務員証の登録には、手数料がかかります。たとえば、神奈川県の場合、法人タクシーは手数料3,400円 (税込)、個人タクシーは手数料 1,700円 (税込)の費用がかかります。

各地域のタクシーセンターで金額がことなるため、事前に確認しておきましょう。

こちらの記事では、タクシー業界の今後について解説しています。現状の課題や将来性にもふれているため、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

今回は、タクシー運転手に必要な乗務員証について解説しました。乗務員証は、乗客にとって、タクシー運転手の確かな技術と安心を与えてくれるものです。

2023年の国土交通省の改正にともない、乗客の利便性や安心は担保されつつ、よりタクシー運転手が安心して働ける環境となることでしょう。

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